歩行者の風環境が重要な理由
高層建物や密集した街区は路面付近の風を変え、屋外空間を不快に、時には危険にする強風域を生み出します。歩行者の風環境(PWC)の調査では、CFDを使って着工前にこうした条件を予測し、建築家や計画担当者による安全で暮らしやすい都市づくりを支えます。
吹き下ろし
高層建物に当たった空気が下向きに流れ、建物の足元に近い路面付近で風速が増します。
隅角部での増速
建物の角を回り込む風が加速し、近くの歩道で強い突風を生じさせます。
風の集中
建物間の狭い隙間を抜ける風が加速し、歩行者の高さに強い風の通り道ができます。
風環境評価までの3つの手順
形状をアップロード
建物のCADまたはSTLモデルを読み込みます。dicehubがOpenStreetMapから周辺の建物を自動取得します。
場所を選択
地図上で対象地点を選びます。最寄りの気象観測所の風データを自動取得します。
結果を取得
快適性マップ、速度場、Lawson・NEN8100基準に対応する専門的なPDFレポートを取得できます。
業界標準の快適性基準
世界の計画当局や風工学の専門家が利用する、確立された快適性基準に照らして結果を評価します。
Lawson LDDC
| カテゴリ | しきい値 | 活動 |
|---|---|---|
| A | < 2.5 m/s | 座る |
| B | < 4 m/s | 時折座る |
| C | < 6 m/s | 立つ |
| D | < 8 m/s | 散策 |
| E | < 10 m/s | 速歩 |
| F | > 10 m/s | 不快 |
| G | 15 m/s | 危険 |
NEN8100
| カテゴリ | しきい値 | 活動 |
|---|---|---|
| A | 5 m/s, < 2.5% | 座る |
| B | 5 m/s, < 5% | 時折座る |
| C | 5 m/s, < 10% | ゆっくり歩く |
| D | 5 m/s, < 20% | 速歩 |
| E | 5 m/s, ≥ 20% | 不快 |
プロジェクト例
事例:Berliner Bremsenwerk
ベルリンの歴史的な開発地区を対象に、16方向の風をCFDで解析した歩行者の風環境評価です。
プロジェクトの詳細
- 所在地
- Am Bremsenwerk 1, 10317 Berlin
- 建物の寸法
- 260m x 170m x 50m
- 気象観測所
- Berlin Tempelhof (6.44 km)
- 風の評価基準
- EN 1991-1-4:2005+A1:2010
- 計算メッシュ
- 69.7 million cells
- 風向
- 16 (360°)
- 解析領域の種類
- Cylindrical
主な結果
- パビリオンA(25.23 m)とパビリオンD(26.90 m)の屋上デッキは、立って過ごすには概ね快適
- 座る場所を計画する場合、一部の区域で風を緩和する対策が必要
- 卓越風向は西(270度)で、最大出現頻度は12.66%
- 建物の端部付近で隅角部の増速を確認
- Lawson LDDCとNEN8100の両基準による快適性マップを作成
シミュレーション結果





各パネルは異なる風向の速度場を示します。気象データの出現頻度と組み合わせて、最終的な快適性評価を行います。
風環境評価にdicehubを選ぶ理由
クラウドで利用
機器やソフトウェアの導入は不要です。拡張可能なクラウド基盤で、ブラウザから直接解析できます。
設定済みテンプレート
すぐに使えるテンプレートで、数分でPWC調査を開始。CFDの専門知識は不要です。
16方向を並列実行
クラウドHPCですべての風向を同時に実行。数日ではなく、数時間で全結果を得られます。
専門的なレポート
Lawson LDDCとNEN8100の快適性マップを自動作成。計画申請に利用できます。
リアルタイムの共同作業
プロジェクトをチームと共有し、結果を同時に確認。シミュレーション用のGoogle Docsのように使えます。
従量課金
一般的な16方向のPWC調査は約EUR 96から。メッシュの複雑さと実行時間により異なります。定期契約や初期費用はありません。